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フィリピン人との国際結婚を多く扱っていると
「Recognition(リコグニッション)って何ですか?」
「Annulment(アナルメント)とは何が違うのですか?」
「日本で離婚しているのに、なぜフィリピンで手続きが必要なのですか?」
というお声をよく頂きます。
一般の日本人からすれば「なんのこっちゃ?」となるのも無理はありません。
フィリピンでは原則として離婚制度が認められていないため、日本人同士の結婚や他の多くの国の結婚とは異なり、再婚するためにはフィリピン独自の制度を理解しておく必要があります。
もっとも、すべてのフィリピン人にRecognitionが必要というわけではありません。
離婚した相手の国籍や離婚の方法によって必要な手続きは異なります。
そのため、
「自分はRecognitionが必要なのか。」
「それともAnnulmentなのか。」
を最初に正しく判断することが重要です。
そこで今回は、とりわけRecognition(リコグニッション)の制度について、できるだけ分かりやすく解説します。
目次
1.フィリピンには原則として離婚制度がありません
2.Recognition(リコグニッション)とは?
3.Recognitionが必要になるのはどんな人?
4.RecognitionとAnnulmentの違い
5.日本で離婚しただけではフィリピンでは再婚できない?
6.Recognition(リコグニッション)の手続きの流れ
7.Recognition(リコグニッション)に必要となる主な書類
8.Recognitionにはどれくらいの期間がかかる?
9.Recognitionにはどれくらいの費用がかかる?
10.Recognitionでよくある勘違い
11.よくある質問
12.まとめ
13.フィリピン人の妻をもつビザ専門行政書士が全力でサポートします。
日本では、
「もう一緒に生活できない。」
「性格が合わない。」
「浮気された。」
など、夫婦関係が破綻すれば離婚という選択肢があります。
一方、フィリピンでは事情が少し異なります。
フィリピンは世界でも有数のカトリック国家であり、「結婚は生涯続く神聖なもの」という考え方が社会や法律に深く根付いています。
そのため、イスラム教徒など一部の例外を除き、現在でも原則として離婚制度が認められていません。
つまり、日本であれば
「もう離婚します!」
で手続きが進むようなケースでも、フィリピンでは簡単に婚姻関係を解消することはできません。
著者も過去に離婚経験があるので「これはつらいよね!」と常々思います(笑)
では、日本人と結婚したフィリピン人が日本で離婚した場合はどうなるのでしょうか。
そこで重要になってくるのが、次にご紹介する
Recognition(リコグニッション)
という制度です。
Recognition(リコグニッション)とは、
外国で成立した離婚を、フィリピンの裁判所に認めてもらうための裁判手続き
です。
正式には、
Judicial Recognition of Foreign Divorce
(外国離婚判決の承認手続き)
と呼ばれます。
例えば、
フィリピン人女性が日本人男性と結婚し、その後日本で離婚したとします。
日本では離婚が成立しているため、日本人側は問題なく再婚できます。
しかし、フィリピンではその離婚が自動的に反映されるわけではありません。
そのため、フィリピン人側が再婚するためには、フィリピンの裁判所でRecognitionの手続きを行い、日本で成立した離婚をフィリピンでも有効なものとして認めてもらう必要があります。
Recognitionが必要になる典型例は、
「フィリピン人と外国人が結婚し、その後外国で有効に離婚したケース」
です。
例えば、
などの場合には、フィリピン人側が将来再婚するためにRecognitionが必要になる可能性があります。
一方で、
フィリピン人同士の婚姻
についてはRecognitionではなく、Annulment(婚姻無効・婚姻取消し)の手続きとなるのが一般的です。
RecognitionとAnnulmentは混同されることが非常に多い制度です。
しかし、この二つは全く異なる手続きです。
| 項目 | Recognition | Annulment |
|---|---|---|
| 対象 | 外国人とフィリピン人の婚姻 | フィリピン人同士の婚姻 |
| 手続きの目的 | 外国で成立した離婚を | 婚姻そのものを 無効・取消しにする |
| 裁判所 | フィリピンの裁判所 | フィリピンの裁判所 |
| 手続きの前提 | 外国で有効な離婚が 成立している | 離婚ではなく 婚姻の無効・取消しを求める |
つまり、Recognitionは
「離婚を認めてもらう手続き」
ではなく、
「外国で既に成立している離婚を、フィリピンでも認めてもらう手続き」
です。
ここは非常に誤解されやすいポイントなので、しっかり理解しておきましょう。
日本人同士の結婚であれば、日本で離婚が成立すれば基本的にはそのまま再婚することができます。
しかし、フィリピン人の場合はそうではありません。
例えば、
日本人とフィリピン人が日本で結婚し、日本で協議離婚した場合、日本では離婚が成立しています。
もっとも、その離婚がフィリピンでも自動的に有効になるわけではありません。
そのため、フィリピン人側が再婚するためには、フィリピンの裁判所でRecognition(外国離婚承認)の手続きを行い、外国で成立した離婚をフィリピンでも有効と認めてもらう必要があります。
この点は非常に誤解されやすく、
「日本で離婚しているから大丈夫」
と思っていたものの、いざ再婚しようとした段階でRecognitionが必要であることを知り、手続きが大幅に遅れてしまうケースも少なくありません。
Recognitionは、フィリピンの裁判所で行う裁判手続きです。
一般的には、次のような流れで進められます。
フィリピンの弁護士へ依頼する
裁判所で審理が行われる
この流れの後、はじめて
「再婚可能」
となり、
フィリピン人側は再婚に必要な書類の取得手続きを進めることになります。
✅実務上のお話
前述した流れを通して、再婚の手続きを進めていくのが本来原則的な流れとなります。しかし、実務上、日本人とフィリピン人の再婚に関しては一定要件を満たす場合は、前述した流れをとることなく、日本で結婚手続きを進めれることもあります。それについては別記事でご案内しておりますので気になる方はご一読ください。
Recognitionでは、フィリピンの裁判所に対し、
「日本で有効に離婚が成立したこと」
を立証する必要があります。
そのため、一般的には次のような書類を準備します。
これらの書類は、フィリピンの裁判所へ提出することを前提として準備するため、日本語のままでは足りず、英訳や認証手続きが必要となる場合もあります。
また、必要書類は離婚の方法や事案によって異なることがありますので、必ず依頼するフィリピンの弁護士へ事前に確認しながら準備を進めて下さい。
Recognitionは、フィリピンの裁判所で行う手続きです。
前述したAnnulmentよりは短い期間で完了するケースが多いものの、通常でも6か月〜1年程度はかかると考えておいた方がよいでしょう。
また、必要書類の収集、英訳、認証手続きなども必要になるため、実際には裁判手続き以外の準備にも時間がかかります。
「すぐに結婚したい」
「すぐに配偶者ビザを申請したい」
というスケジュールでは間に合わないこともありますので、Recognitionが必要な可能性がある場合には、早めに準備を進めることが重要です。
Recognitionは裁判手続きであるため、フィリピンの弁護士へ依頼して進めるのが一般的です。
費用は依頼する弁護士や事案によって異なりますが、弁護士費用は概ね20万〜30万ペソ程度となるケースが多いようです。
日本円に換算すると、為替にもよりますが40万〜60万円程度を一つの目安として考えておくとよいでしょう。
これに加えて、
などが必要になることもあります。
そのため、Recognitionが必要なケースでは、期間だけでなく費用面にも余裕を持って準備しておくことが大切です。
Recognitionについてご相談を受けていると、次のような勘違いをされている方が非常に多い印象があります。
最も多いのがこのケースです。
日本では離婚が成立しているため問題ありませんが、フィリピンでは自動的に離婚が反映されるわけではありません。
そのため、フィリピン人側が将来再婚する予定がある場合には、Recognitionが必要になる可能性があります。
つまり、フィリピン側の結婚手続きが完了していなくとも、それは配偶者ビザの要件である「外国人と日本人配偶者との間に法律上有効な婚姻関係があること」を直接的に脅かすものではないということです。
ただし、婚姻が実態を伴うか否かの判断を下す上での事情にはなりうりますので、よりその点を重点的に立証していく必要がでてきて、結果審査の難易度が高くなるということになります。
これもよくある勘違いです。
日本人との婚姻で日本法に基づいて離婚しているのであれば、一般的にはAnnulmentではなくRecognitionが問題になります。
どちらの手続きが必要なのかは、
などによって異なりますので、まずはご自身がどちらに該当するのかを確認することが重要です。
Recognitionが終わればすぐに再婚できる
Recognitionの判決が出た後も、PSA(Philippine Statistics Authority)の婚姻記録などを更新する手続きが必要になります。
そのため、Recognitionが認められたからといって、翌日すぐに再婚できるとは限りません。
実際には、その後の行政手続きも考慮しながらスケジュールを立てる必要があります。
そのため、日本の市区町村役場や日本の裁判所で完結する手続きではありません。
手続きを進める場合には、基本的にフィリピンの弁護士へ依頼し、フィリピンの裁判所でRecognitionの申立てを行うことになります。
日本に住んでいる方であっても、日本側で必要書類を準備し、フィリピン側の弁護士と連携しながら手続きを進めることは考えられます。
もっとも、完全に日本国内だけで完結するとは限らず、事案によってはフィリピン側での対応や追加資料の準備が必要になることもあります。
そのため、実際にどのような進め方が可能かについては、依頼するフィリピンの弁護士へ事前に確認しておくことが重要です。
実務上、状況によってはRecognitionが終わる前に日本で結婚手続きができているケースはあります。
しかし、基本的にはおすすめしておりません。
認められるケースが限定されていてなおかつ、役所によってどのレベルまで許容範囲とするかその判断基準にムラが目立つためです。
従って、特に省略する事情等がなければ原則的な流れでの婚姻手続きを推奨させて頂いている次第です。
日本の配偶者ビザ申請では、前提として有効な婚姻が成立していることを立証する必要があります。
当然に両国の婚姻証明書の提出を求められます。
Recognitionが必要なケースにもかかわらず手続きが完了していない場合、フィリピン法上再婚できる状態にあることの立証ができずに、配偶者ビザ申請に影響する可能性があります。
状況や事情等により結果配偶者ビザの付与が認められるかどうかは入管の判断次第です。
Recognition(リコグニッション)とは、外国で成立した離婚をフィリピンでも有効なものとして認めてもらうための裁判手続きです。
フィリピンでは原則として離婚制度が認められていないため、フィリピン人が外国人と結婚し、その後外国で離婚した場合でも、その離婚がフィリピン側に自動的に反映されるわけではありません。
そのため、たとえばフィリピン人が日本人と結婚し、日本で離婚した場合、フィリピン人側が将来再婚するためには、Recognitionが必要となるのが一般的です。
一方で、フィリピン人同士の婚姻を解消したい場合には、通常Recognitionではなく、Annulment(婚姻無効・取消し)の手続きが問題となります。
つまり、重要なのは、
前婚の相手が誰で、どこの国の法律に基づいて婚姻が終了しているのか
を確認することです。
RecognitionとAnnulmentは名前も内容もまったく異なる手続きです。
最初の判断を誤ると、結婚手続き全体が大幅に遅れてしまうこともあります。
前婚があるフィリピン人と結婚を予定している場合には、まずは、
を整理しておくことが大切です。
私自身もフィリピン人の妻を持つ一人です。
配偶者ビザはもちろん、Recognition(リコグニッション)やAnnulment(アナルメント)など、フィリピン特有の制度についても、実務経験と自身の経験を踏まえながら、一人ひとりの状況に合わせて丁寧にサポートいたします。
福岡・熊本ビザ申請サポートセンターでは、
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