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令和8年6月12日、出入国在留管理庁は在留資格「経営・管理」に関するFAQ(よくある質問)を更新しました。
今回の更新では、新たな許可基準が設けられたわけではありません。
しかし、個人事業主における3000万円要件の考え方や、経過措置期間中の更新審査の取扱い、さらには労働関係法令や社会保険制度の遵守状況について説明が補足されており、経営管理ビザを取得・更新する外国人経営者にとって参考になる内容が追加されています。
本記事では、今回のFAQ更新の中でも特に実務上重要と思われるポイントについて解説します。
今回のFAQでは、個人事業主に関する次の質問が新たに掲載されました。
これに対し入管は、上陸基準省令における「3,000万円」とは「申請に係る事業の用に供される財産の総額」であると説明しています。
つまり、個人事業主の場合には3,000万円の資本金を準備する必要はありません。
個人事業の場合には、
など、事業のために実際に投下された資金の総額によって判断されます。
つまり、個人事業主の場合には、これらの支出を領収書や契約書などによって積み上げながら立証していく必要があります。
実務上は、株式会社を設立して資本金3,000万円を準備する場合と比較して、個人事業主の方が立証の難易度は圧倒的に高いです。
特に設備投資が比較的小さい事業では、事業の用に供される財産総額として3,000万円を立証すること自体が容易ではありません。
「個人事業主なら資本金が不要なので簡単」という理解はではなく、むしろ立証面で法人設立よりも大変な苦労をする可能性が高いです。
FAQでは、経過措置期間終了後の取扱いについても説明されています。
入管は、
としています。
3000万円未満であることのみを理由として、一律に不許可となるわけではありません。
経営状況が良好であり、法人税等の納付義務を適切に履行しており、次回更新時までに新基準を満たす見込みがある場合には、その他の在留状況も含めて総合的に判断されることになります。
今回のFAQでは、経過措置についても新たに明確化されました。
入管は、
と説明しています。
改正前から経営管理ビザで在留している方については、令和10年10月16日までの経過措置期間が設けられています。
そのため、経過措置期間中は新基準を満たしていないことのみを理由として更新が不許可となることはありません。
経営管理ビザの更新というと、
▶売上があるか
▶利益が出ているか
▶納税しているか
という点ばかりに目が向きがちです。
しかし今回のFAQでは、
「納税状況だけではなく、経営者として遵守すべきルールについても確認している」
ことが改めて明示されました。
入管は次のように説明しています。
従来から実務上確認されていた事項ではありますが、今回のFAQ更新によって入管が改めて明示した点は注目に値します。
従業員を雇用している場合には、労働関係法令を遵守していることが求められます。
例えば、
などが代表的です。
最低賃金を下回る給与設定や残業代未払いなどがある場合には、更新審査においてマイナス要素として評価される可能性があります。
加入義務があるにもかかわらず社会保険等へ加入していない場合も注意が必要です。
更新審査では、
への加入状況や保険料の納付状況も確認される可能性があります。
利益が出ていても、加入義務のある保険に加入していない場合は審査上不利に働く可能性があります。
事業内容によっては、営業を行うために許認可が必要となる場合があります。
例えば、
などが代表例です。
必要な許認可を取得せずに事業を行っている場合、事業の適法性そのものに問題が生じます。
更新申請の際には、事業に必要な許認可が適切に取得・維持されているかも確認しておくことが重要です。
令和8年6月12日に更新されたFAQでは、個人事業主における3000万円要件の考え方や経過措置の取扱いについて説明が補足されました。
ただし、個人事業主の場合には領収書や契約書などを用いて事業の用に供される財産総額を立証する必要があり、必ずしも法人より有利というわけではありません。
また、更新審査では売上や利益、納税状況だけでなく、労働関係法令の遵守状況や社会保険への加入状況、必要な許認可の取得状況なども確認されることが改めて明示されています。
特に労働関係法令、社会保険、許認可については見落とされがちなポイントです。
経営管理ビザの更新を予定している方は、決算書や納税状況だけでなく、会社運営全体のコンプライアンス体制についても一度確認しておくことをおすすめします。
当事務所では、経営管理ビザの取得・更新申請に関するご相談を承っております。ご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
・出入国在留管理庁「経営・管理に係る上陸基準省令等の改正について」
・出入国在留管理庁「特にお問い合わせが多い質問について(FAQ)【令和8年6月12日更新】」
・出入国在留管理庁「経営・管理に係る上陸基準省令等の改正に関するガイドライン」
経営管理の在留資格は2025年度におおはばに厳格化され、2026年6月には上記の内容が追記された形にあります。
「絶対に失敗したくない」
「何から始めていけばよいかわからない」
そうした不安がある方は、申請の前に一度専門家にチェックしてもらうことをおすすめします。
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