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特定技能外国人を受け入れる企業の要件とは?採用前に確認すべきポイントを徹底解説

人手不足への対応策として、特定技能外国人の採用を検討する企業が増えています。
しかし、特定技能制度は「外国人を採用したい」と思った企業すべてが自由に利用できる制度ではありません。
受入企業には様々な要件が設けられており、それらを満たしていなければ特定技能外国人を受け入れることはできません
実際に、

▶求人を出したい
▶登録支援機関に相談したい
▶海外から呼び寄せたい

という段階でご相談いただく企業様も多いのですが、まず確認すべきなのは「自社が受入れ要件を満たしているか」という点です。
本記事では、特定技能外国人を受け入れる企業に求められる主な要件や、実務上よく問題になるポイントについて分かりやすく解説します。

特定技能制度における受入企業とは

特定技能制度では、外国人を受け入れる企業のことを

特定技能所属機関

と呼びます。
特定技能所属機関は、単に雇用契約を結ぶだけではなく、

適正な雇用管理
外国人への支援
入管への各種届出

など、多くの責任を負うことになります。

そのため、制度上は受入企業に対して厳しい基準が設けられています。

まず確認したい「業種要件」

特定技能制度は、すべての業種で利用できる制度ではありません。
特定技能外国人を受け入れることができるのは、国が定める「特定産業分野」に該当する事業を行う企業に限られます。
2026年6月現在、特定技能1号の対象分野は以下の16分野です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 林業
  • 木材産業

自社が特定技能制度を利用できるかどうかは、単純に業種名だけで判断できるわけではありません。
実際には、事業内容や外国人に従事させる業務内容が各分野で認められている業務範囲に該当するかを確認する必要があります。
例えば、同じ製造業であっても対象となる業務と対象外となる業務がありますし、外食業であっても業務内容によっては特定技能の対象とならない場合があります。
そのため、特定技能外国人の採用を検討する際は、まず自社の事業と業務内容が対象分野に該当するかを確認することが重要です。

見落とされがちな
受け入れ企業の要件

  • 1
    法令を遵守していること

特定技能外国人を受け入れる企業には、法令遵守が強く求められます。
具体的には、

▶労働基準法
▶労働安全衛生法
▶社会保険関係法令
▶税法

などを適切に守っている必要があります。
例えば、

▶社会保険未加入
▶残業代未払い
▶税金滞納

といった問題がある場合、特定技能外国人の受入れが認められない可能性があります。

  • 2
    非自発的離職者を発生させていないこと

制度では、受入企業の雇用姿勢も確認されます。
そのため、

直近1年以内に会社都合による離職者を多数発生させていないこと

が求められています。
これは、

日本人従業員を解雇して外国人を雇う

という制度利用を防ぐためです。
特定技能制度は人手不足対策の制度であり、人件費削減のための制度ではありません。

  • 3

    行方不明者を発生させていないこと

過去に技能実習生や特定技能外国人を受け入れていた企業については、

行方不明者の発生状況

も審査対象となります。
もちろん、行方不明が発生したから即不許可というわけではありません。
しかし、

不適切な労働環境
賃金未払い
過度な長時間労働

などが原因と考えられる場合には問題となる可能性があります。

  • 4
    特定技能外国人への待遇が適切であること

特定技能制度では、

日本人と同等以上の待遇

が求められています。
例えば、

同じ業務なのに外国人だけ給与が低い
昇給制度から除外されている
福利厚生が利用できない

といった取扱いは認められません。
特定技能制度は即戦力人材を前提としているため、待遇面についても厳しくチェックされます。

  • 欠格事由に該当していない

欠格事由にあたると特定技能所属機関として活動できなくなります。
主な欠格事由は以下の通りです。

・労働関係法令違反
・禁錮以上の刑に処せられた者
・出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者
・技能実習認定の取り消しを受けた
・暴力団排除の観点からの欠格事由
・特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由
・保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由

  • 6
    保証金や違約金等の契約をしない

特定技能所属機関は、外国人およびその親族が保証金の徴収や財産の管理、違約金契約を締結させられている場合おいて、それを認識していながら特定技能雇用契約を締結することはできません。

  • 報酬を適切な方法で支払うこと

特定技能外国人の報酬は、原則として本人名義の預貯金口座への振込みにより支払う必要があります。
これは賃金の支払状況を明確にし、未払いや不適切な控除などを防止するためです。
現金払いそのものが直ちに禁止されているわけではありませんが、特定技能制度では適正な雇用管理が強く求められているため、実務上は給与振込が基本となります。
また、給与明細の交付や賃金台帳の整備なども適切に行い、支払状況を客観的に確認できる状態にしておくことが重要です。
特定技能外国人であることを理由に、日本人従業員とは異なる支払方法を採用することは適切ではありません。

✅当然ながら本人名義の口座であることは必須

  • 支援体制を整備する必要性

特定技能1号外国人を受け入れる場合、企業には外国人が日本で安定して生活・就労できるよう支援を行う義務があります。
支援には、大きく分けて「義務的な支援」と「任意的な支援」がありますが、最終的には支援計画に沿う構成にて対応していく必要があります。

義務的な支援とは

義務的支援とは、法律上実施が求められている支援です。
具体的には、

  • 事前ガイダンスの実施
  • 出入国時の送迎
  • 住居確保や生活契約の支援
  • 生活オリエンテーション
  • 行政手続きへの同行補助
  • 日本語学習に関する情報提供
  • 相談・苦情への対応
  • 日本人との交流促進
  • 転職支援(会社都合退職時など)
  • 定期面談の実施

などが含まれます。
これらは受入企業が自ら実施するか、登録支援機関へ委託しなければなりません。

任意的な支援とは

一方で、法律上必須ではないものの、外国人材の定着を促進するために実施が推奨される支援もあります。
例えば、

  • 日本語教育費用の補助
  • 資格取得支援
  • 社内交流イベントの実施
  • キャリアアップ支援
  • 母国語による相談窓口の充実

などが挙げられます。
近年は人材確保競争が激しくなっており、義務的支援だけではなく、こうした任意的支援を充実させる企業ほど定着率が高い傾向があります。

✅登録支援機関へ委託するケースが多い
支援業務は自社で実施することも可能ですが、実務上は登録支援機関へ委託する企業が多く見られます。
特に初めて特定技能外国人を受け入れる企業では、

▶支援計画の作成
▶定期面談
▶入管への届出

などに不慣れなケースも多いため、登録支援機関を活用することで制度運用を円滑に進めることができます。

実務上見落とされやすいポイント

ここからは、実際の相談でよくあるケースです。

「人手不足だから採用できる」
は誤解

企業担当者の方から、

とにかく人が足りないので特定技能を採用したい

という相談を受けることがあります。
しかし、

人手不足であること

特定技能制度を利用できること

は別問題です。
まずは、

▶分野該当性
▶雇用条件
▶支援体制

などを確認する必要があります。

登録支援機関に依頼すれば何とかなるわけではない

登録支援機関は支援業務を代行できますが、企業自身の要件をクリアしてくれるわけではありません。
例えば、

▶法令違反
▶社会保険未加入
▶欠格事由

などがある場合は、登録支援機関を利用しても受入れは困難です。

採用後の届出義務も重要

特定技能制度では、採用した後も各種届出が必要になります。
これを怠ると、

▶指導
▶改善命令
▶受入停止

につながる可能性があります。
採用して終わりではなく、受入れ後の運用も非常に重要です。

特定技能制度は「採用制度」ではなく「運用制度」

特定技能制度については、

外国人を採用するための制度

と考えられがちです。
しかし実際には、

採用後に適切な支援や管理を継続すること

まで含めて制度設計されています。
そのため、

  • 雇用契約
  • 支援計画
  • 定期届出
  • 法令遵守

まで含めた体制整備が重要になります。

まとめ

特定技能外国人を受け入れるためには、単に人手不足であるだけでは足りません。
主なポイントを整理すると、

  • 対象分野に該当すること
  • 法令を遵守していること
  • 非自発的離職者を発生させていないこと
  • 外国人に適切な待遇を与えること
  • 支援体制を整備すること
  • 各種届出を適切に行うこと

が求められます。
特定技能制度は今後ますます利用が拡大すると考えられますが、制度の理解不足によるトラブルも少なくありません。
採用を進める前に、自社が要件を満たしているかを確認することが重要です。

特定技能外国人の受入れをご検討中の企業様へ

アクロス国際行政書士事務所では、

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